茨城県の犬ねこ殺処分頭数の現状 (2010年11月8日初掲載)

2016年12月2日update

 

茨城県の動物愛護推進目標は、犬・ねこの殺処分ゼロです。

 

下図は、近年の茨城県の犬ねこ殺処分頭数の変化です。

(県ホームページから得られたデータをグラフ化しました。

  但し、平成27年度データに関しては環境省ホームページから得たものです。)

 

茨城県動物指導センターに収容された犬やねこに新しい飼い主を探す努力もなされていて、平成20年,21年,22年,23年,24年,25年,26年とも1000頭程度が新しい飼い主にもらわれ、殺処分にならずにすみました。

 

殺処分頭数は徐々に減少してきていますが、平成27年度で、いまだに犬猫合わせて3,450頭が殺処分されています。

 

 

 

 

下図は、殺処分数の変化を犬とねこ別に示したものです。

(県ホームページから得られたデータをグラフ化しました。)

 

犬と比べて、ねこの殺処分数の減少が鈍化しています。

平成25年度以降、犬よりも猫の殺処分数が多くなっています。

 

猫の問題が今後大きくなってくることが危惧されます。ー>猫のページへ

 

 

 

 

下図に、茨城県が犬・ねこの殺処分数の多さで、47都道府県中何位に位置するかを示しました。

(平成16年度~平成23年度は地球生物会議発行「全国行政アンケート結果報告書」の平成16年度版~平成23年度版の県別データから、平成24年度~平成27年度は環境省の県別データから、茨城県の順位を求めグラフ化しました。)

 

茨城県は他県と比べて、犬の殺処分数が全国で最も多い状態が続いています。

ー>犬のページへ 

 

猫の殺処分数の多さは、平成23年度までは、47都道府県中、20位前後で、ほぼ全国の中位に位置していましたが、平成24年度以降、徐々に順位を上げ、平成27年度は10位、他県に比べて猫の殺処分数の減少が鈍くなってきています。

 

今後、茨城県では、猫の問題も大きくなることが危惧されます。

->猫のページへ

 

 

 

以上より、茨城県で犬ねこの殺処分頭数を減らすためには、

 

(1)捕獲される犬の頭数を減らすこと

 

 

(2)仔猫の引取り頭数を減らすこと。

 

(そのためには、例えば、

 県民が猫の不妊手術を容易に実施可能とすることなどが考えられます。)

 

 

さらに、

茨城県では市町村により捕獲・引取り頭数が大きく異なります。このため、その差異を検討することは殺処分頭数削減には大切なことと思います。そこで、本ホームページでは市町村別のデータを掲載しています。

そのまとめを以下に記載します。

 

 

 

【犬猫引取りと犬捕獲頭数が多い市町村】

    引取り:平成25年度データ 捕獲:平成24年度データ

 

犬引取りー>市町村別データ


笠間市、桜川市、筑西市、坂東市、が50頭以上の犬の引取りがあり、際立っています。

 (犬の捕獲の多い市町村と引取りの多い市町村は必ずしも一致していません。)


犬捕獲ー>捕獲市町村別データ


おおむね神栖市から水戸市にかけてと、つくば市から筑西市にかけての領域が捕獲頭数が多い領域になっています。


猫引取りー>猫市町村別データ


100頭以上の引取り頭数の市町村は、日立市、ひたちなか市、水戸市、笠間市、小美玉市、石岡市、つくば市、土浦市、稲敷市、鹿島市、神栖市、です。

 



これらの地域で改善が強く要求されることがわかります。

 


 

 

【捕獲犬と、猫の引取り市町村別頭数についての重回帰分析】

 (平成18年度データ)

  

 

 

平成18年度の市町村別データを重回帰分析すると、

雑種地に分類される地目が多い市町村が、捕獲犬と猫引取り頭数が多い

ことがわかります。  (犬捕獲頭数要因猫引取り頭数要因



 

 

雑種地とは、例えば、

資材置き場や駐車場などで、人の生活圏の傍らにありながら、やや人目につきにくい場所です。

 

このような雑種地が多い市町村で、犬の捕獲頭数と猫の引取り頭数が多いことは、

雑種地に犬や猫が遺棄されやすいことを意味している可能性があります。

 

もしそうであるならば、

雑種地での犬や猫の遺棄を未然に防ぐことが必要と思われます。

 

 

未然に犬や猫の遺棄を防げないのであれば、

その地に遺棄された犬や猫が死にいたらないで住む方法を、地域住民が考える必要があると思われます。

 

 

【捕獲犬が予想頭数(重回帰予想)よりも大変多い市町村(平成18年度)】

 

東関東自動車道の終点付近に位置する神栖市や潮来市、
および、

筑波山西部下妻市から県境の坂東市の地域

です。  捕獲回帰との差

 

 

これらの地域は、雑種地以外の原野などの地目に遺棄された犬(他地域では人目に触れにくい)が、人目に触れるチャンスのある地域なのかもしれません。

 

これらの地域で捕獲される犬の頭数が削減可能であれば

他の地域でも、

原野などの人目に触れにくい地目に遺棄された犬や猫の頭数を削減するための大きな示唆を与てくれるものと思われます。