犬の殺処分を今やめるのは不可能?(2010年12月16日掲載)
・・・・・・・・・・・・生かした場合の総頭数の推定
茨城県の動物愛護指導センターに、収容された犬(県民が引取りを要請した犬・捕獲された犬)の多くは引き取り手がないという理由でそのほとんどが殺されます。
しかし、本当に殺さなければならないのでしょうか?
茨城県の動物愛護推進目標は、犬やねこの殺処分ゼロです。
目標:平成29年度 犬ねこ引き取り頭数3,500頭未満
殺処分ゼロが目標なのですから、
頭数が多く、殺処分をやめることが不可能と言う前提で考えるのではなく、
殺処分を直ちにやめることを前提で考えをすすめる必要があります。
直ちに犬の殺処分を停止することを考えてみましょう。
平成21年度に、収容された犬は約5,000頭でした。
(ほとんど殺処分されました。)
平成22年度も、収容される犬は約5,000頭だとします。
(これを殺しません。)
平成23年度も、収容される犬は約5,000頭だとします。
(これを殺しません。)
平成24年度も、収容される犬は約5,000頭だとします。
(これを殺しません。)
**** 3年で、15,000頭の犬が生きています。
**** これでは、どんどん増えてきてしまうと思ってしまいます。
しかし、犬には寿命があります。
たとえば、ある年に収容された5,000頭の犬は、
殺処分しない場合、自然死などで、上図のようにその頭数が減っていくと仮定します。
(仮定:5年間は死ぬことなく、その後少しずつ死んで20年後には1頭も生存していない)
そして、毎年毎年5,000頭の犬が収容されてきたとします。
その犬をすべて生かしたとして、20年後には何頭生きているのでしょうか?
それは、上図の台形の面積になります。
したがって
5,000頭×(5+20)÷2=6万2500頭 になります。
つまり、今犬の殺処分をやめて二十年経過しても、殺処分から免れた犬は、県内には、たかだか6万2500頭しか生存していないことになります。条件が変化せず毎年5,000頭が収容されることが20年後以降も続いたとしても、二十年後以降のいつでも、殺処分から免れた犬は、県内には6万2500頭しか生存していないことになります。
もちろん、上図は仮定です。
また、多くの方々の努力により、収容される犬は年々減少し、5,000頭よりずっと少なくなる筈と考えられますから、実際は、6万2500頭よりずっと少ない数字かもしれません。
この推定頭数を、登録頭数と比較してみます。